2020年度 卒業論文審査会

2月2–3日にかけて、理工学部 生命情報学科の卒業論文審査会がオンラインで開催されました。当研究室の南方君も、「ヒトデ成体の免疫細胞における同種異個体認識反応の動態解析」というタイトルで発表しました。当初は対面審査の予定でしたが、緊急事態宣言が出されたことにより、結局オンラインでの審査会になってしまいました。オンライン会議全般に言えることですが、どこでアクセスするかは非常に大きな問題です。特に審査会となると不具合が生じてはいけません。となると必然的に、インターネット環境がしっかりしている場所で行うしかないということになります。一方、DECI Biol. Labがある校舎は、立地上の問題で今のところ学内Wifiがあまり強くなく、結局ラボからアクセスするのが最善という結論になりました。つまり、メンバーは、本人の発表を同じ部屋でZOOMを介して見る、ということになります(笑) なかなか面白い構図です。

発表中の南方君
発表中(カンペが、、、)

 肝心の卒業論文の中身ですが、南方君のテーマは、イトマキヒトデの成体の免疫細胞が、同種異個体の細胞に対して免疫応答を行うのか、行うのであればどういう細胞がどのように応答するのかを明らかにしようとするものでした。私達の免疫システムは他人(同種異個体)の組織なり細胞なりを異物とみなして攻撃しますが、ヒトデではそういうことができるのかすら、実はよくわかっていないのです。DECI Biol. Labでは、これまでヒトデの「幼生」の免疫システムについて精力的に研究を行っていました(主要なテーマ)が、成体(大人)のほうはよくわかっていなかったのですね。ちなみに、「幼生」の免疫システムは「同種であれば自己とみなす」ため、同種異個体を識別できません。南方君の卒業研究により、成体の免疫細胞は同種異個体を識別できるらしいことが示唆され、その識別に関わっていると考えられる細胞もある程度推測できるようになりました。南方君は大学院に進学するため、修士課程でさらにこの現象を追求してくれることでしょう(早速発表の次の日、今後の戦略についてのミーティングを彼自身が設定してくれました)。

発表を聞いている古川助教
発表を聞いている古川助教

卒論おつかれケーキ
美味しゅうございました

さて、卒論審査会の次は修士論文審査会です。卒論審査会終了後すぐに、阮君の修論発表の練習を行いました。このご時世、打ち上げと称して飲みに行くわけにはいかないため、ささやかながら皆でケーキを食べながらの発表練習になりました。もうひと踏ん張りですね。